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旅立ちの刻
-101系さよなら運転-



2004年12月、西武鉄道の2大動脈路線の池袋線・新宿線より101系低運転台車両が姿を消す事になりました。 新宿線所属の175F・191Fは、12月2日の朝の運用を最後に営業を再びすることは無く、12月5日夜間 横瀬までの廃車回送が最後の走行となりました。
池袋線のツートン復元車の193F・197Fは、12月18日 定番の1001列車を含む土休日定期運用に充当され、その役目を終えました。

そして翌19日、101系(低運転台)さよなら運転イベント、と銘打たれたイベントが開催され、 本線用の101系として最後まで残った193Fと197Fの8連を使用してのイベント列車の運転、西武球場前での撮影会を含む企画が催されました。
当日は、今までに見たことの無い程の人出があり、最後の機会ながらも改めて101系の人気・注目の高さ具合をうかがえたイベントでもありました。

35年間、西武鉄道のレールの上を走り続けてきた101系。
不覚ながらも、少し感動してしまいましたその最後の勇姿を、例に漏れず、精一杯カメラに収めてまいりました。








まずは西武園への送り込み回送。
クハ1194を先頭に、時刻通り9:33に西武園へ到着しました。
閑静な朝の住宅の隙間から元気な警笛が何度も聞こえたのを覚えています。

また驚くべきは 特製の前面行き先幕に、特製のヘッドマーク
種別板の場所に回送表示の板を掲示し、
そして、なんとなんと急行灯の点灯と、
朝から気が狂いそうになってしまいました。
特に急行灯の点灯は今までに見た記憶が無かったので、
思わず、「エッ?」と嬉しさのあまり固まってしまいました。





西武園へ到着し、客扱いをする101系。
運転席の背後には、熱心なファンがずらりと。

フィナーレへの出発は、もう すぐ。





旅立ち。
非情にデザインの凝ったヘッドマーク。





こちらの特製幕も見所の一つ。
一昔前のヘッドマークのデザインを模した幕となっています。
まさか特製の幕&HM、急行灯がつくとは!





またまた驚いてしまったのが、この黄電連。
こちらも、見た記憶が曖昧であり、意識して見るのは はじめてでした。





大勢のファンに囲まれて。
踏切上での安全の確保の為、駅員さんが注意をする一場面も。

その後、西武園を離れ、東村山〜所沢間のポイントへ向かいました。





嬉しい急行灯。
クハ1194は黄電連でないようです。
ここに来ても、今日で引退するという事は全く実感できませんでした。

まだまだ朝の陽光の強さを残す時間帯に、
パンタグラフが キラリ と光ります。

その後、所定通り本川越まで運用され、
折り返し所沢を経由して、西武球場前までの運転が行われました。


私は球場前でのイベントには参加せず、
球場前より西所沢折り返しのイベント電車を撮影しました。




折り返しの球場前到着後は、行き先や種別板など色々な表情を楽しめたようです。

また、この西所沢駅には、大勢のファンが詰め掛けていました。

朝の西武園につづき、遠方より響き渡る警笛の音。
この時、はじめて"引退"を少し感じ取る事が出来ました。





黄電連はそのままですが、ヘッドマークと特製幕は無くなり、シンプルな装い。
しかしながら臨時幕のツートンもカッコ良く、なかなかサマになっています。
警笛を鳴らし、しばしの惰行のあと、元気に加速してゆきました。
定刻の通り、12:17着 12:21発の運転です。

お次は、最後の山区間の走行を記録しようと思い、
高麗〜武蔵横手間のポイントに行きました。
まさか交通手段があるわけも無く、高麗駅から徒歩20分程の大移動でした。



そして時間も経過した、14時35分。
軽やかなジョイント音を響かせ、101系はやってきました。





撮った瞬間、震えを感じました。
ヘッドマークが違う、急行灯、特製幕、101系。


そして何より、「これが最後の走行なんだ」 と。



撮影後は後続の電車で、とりあえず追いかけることに。
秩父から小手指へ戻すのか、はたまた横瀬までの回送でお終いなのか?
乗車中の車内では、いつツートンとスレ違うか、ドキドキしていました。


しかし、そんな心配とは裏腹にツートンは横瀬にいました。



秩父方の留置線より、横瀬駅隣接の留置線へ進入する193F

横瀬では、193Fと197Fは連結を解放されており、
193Fは、秩父方の留置線に、197Fは横瀬駅脇の留置線に、
それぞれ4両単独での配置でした。


間も無く、193Fが秩父方より横瀬脇の留置線に向かって走行し、
197Fの隣に入線しました。





ここでATS?が入り、折り返し駅でよく耳にするあのブレーキ音が聞こえました。




197F(左)の横に並ぶ193F。
ずっと連結していたので、このカットも目新しいものでした。





微調整をし、完全に横並びになった2編成。
手前の197F クハ1198は連結面だった為、方向幕は真っ白です。
作業員さんの幕を外す作業が進められています





こちらでは、何やら乗務員さんも記念撮影会。
皆さんの笑顔が印象的でした。



16:10頃
クハ1198の幕が抜かれました。

いよいよ、引退の下準備が始まった模様です。





101系を眺める乗務員さん。
私たちファンより、一歩も二歩も踏み込んだ形で101系と接していますので、
思う事も一際違ったものなのでしょうか。





通電状態のまま、留置される2編成。
時たま聞こえる、HB-2000とAK-3の協奏曲、
忘れられないものとなりました。




16:23
イベント列車最後の先頭を務めたクハ1194の幕にも
手が入りました。
用意した特製幕も、いよいよ見納めの時です。





ものの数分で、幕は抜き取られてしまいました。





幕を抜き取られ、どことなくマヌケな前面になってしまった2編成。

もう、本線を走る事は2度と無く、あの勇姿を見ることも出来ません。



17:00
先に193の電源が落とされ、パンタも下がってしまいました。
乗務員扉の鍵を閉めて、やがて193の音が消えてなくなりました。


17:08には、ついに197Fのパンタも下げられます。





193は電源を落とし、197も もう間も無く。。。



そして、17:08のパンタを下げた数十秒後 辺りから101系の音が完全に消え去りました。
闇に遮られ、明かりに照らされている僅かな1部分が確認できる程度でした。

目の前にいるはずの101系が、もういないようにも思えます。
そこにいるはずなのに、彼らの姿を見ることが出来ない。




ここでお別れのようです。
旅立ちの刻です。
ありがとう101系。




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04/12/27
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